
「もうすぐ退去の立ち会いだけど、壁の汚れや床のキズ、そのままで大丈夫かな……」
そんな不安を抱えているあなたへ、現役の不動産店長からアドバイスです。
結論から言えば、今からでも間に合います。
私たちのような不動産会社で退去立会をする担当者は、部屋に入った瞬間の「清潔感」などで、ある程度の請求箇所や金額感などを推し量っています。そのため、退去立会に向けて、自分で修理できる範囲をしっかり整えておくことは、「賃貸物件を大切に使っていた」という誠実さの証明になり、結果として退去費用の数万円の節約に繋がるのです。
今回は、私が現場でも実際に効果を実感している、プロ推奨のDIY補修アイテム「三種の神器」を厳選して紹介します。
「そんなことで退去費用が減るなんてことが本当にあるのか?」と思うかもしれませんが、一度騙されたと思って実践してみてください。驚くべき効果を実感することになるでしょう。
[PR] 本記事はアフィリエイト広告を利用しています 現場での実体験に基づき、中立的な視点で情報発信を行っていますが、一部に広告リンクが含まれます。あらかじめご了承ください。
神器その1:壁紙の黒ずみを一掃する『壁汚れ職人』
退去立ち会いで最初にチェックされるのが、クロスの手垢・黒ずみ・油汚れです。実はここの状態が、その後の退去立会の運命を左右すると言っても過言ではありません。
なぜなら、担当者の心理として、スイッチ周りが黒ずんでいると「他の場所も同じように汚れているのでは」という警戒モードに入るからです。逆に、一番目につくクロスが綺麗に保たれていれば、多少の生活感や汚れ・傷は「通常使用の範囲内」として見逃してもらいやすくなるのです。第一印象が、その後の細かい指摘を左右するということですね。
最近のクロスは防水性が向上しており、軽い拭き取り程度なら問題ありません。ただし、黒ずみをしっかり落とそうと力任せに擦ると、表面が毛羽立って光の角度によっては「補修跡」のように見えてしまいます。特に100円ショップのメラミンスポンジは要注意。確かに汚れは落ちますが、クロスの質感まで削り取ってしまうため、かえって原状回復費用の請求対象になりかねません。
もう一つ、見落としがちなのがキッチン周りのクロスです。調理中に飛び散った油が壁に付着し、時間とともに黄ばみや黒ずみに変化します。この油汚れは手垢以上に頑固で、通常の水拭きでは落ちにくいのが厄介なところです。
そこで頼りになるのが、壁紙専用に開発された洗浄剤です。「壁汚れ職人」は汚れを浮かせて落とす仕組みなので、クロスの表面を傷めることなく、手垢も油汚れも新品のような白さを取り戻せます。玄関とスイッチ周り、キッチン周りの壁、それから照明のスイッチプレートなど、汚れが気になる箇所を集中的にケアするだけで、退去立会時の印象は大きく変わります。
クロスは面積が広くなるため、退去費用として認められるとかなり厄介な存在となり得ます。そのため、面倒かもしれませんが、クロスを綺麗にしておくことで、退去費用の減額に繋がります。
特にファミリー世帯では、子どもによる落書きを過失認定し、退去費用が膨れ上がるという事例が後を絶ちません。そんなときも、あきらめるのではなく、ぜひ一度この「クロス掃除」を試してみてください。
なお、この壁汚れ職人という商品ですが、実際に賃貸管理の現場でも導入されています。短期のご退去が発生したときなどは、クロスを張り替えるのではなくクロスを掃除(洗浄)する方法が採用されており、そのときに実際にこの洗剤を利用してクロスの洗浄を行っています。
神器その2:通常損耗の境界線を守る、『クロスの穴埋めパテ』
カレンダーのピン跡程度なら、国土交通省のガイドラインでも「通常損耗の範囲内」と明記されています。ところが退去立ち会いで最も議論になるのが、「クロスの剥がれ」や壁掛け時計や棚を固定していた「ビス(ネジ)の痕」です。
クロスの剥がれについては、もちろん理由はある程度考慮されるものの、一般的には「故意過失による破損」として退去費用に計上されることがほとんどです。
また、ピン穴とビス穴は、物理的にまったく別物です。ピンは壁紙の表面に刺さる程度ですが、ビスは下地の石膏ボードまでしっかり貫通しています。この違いを担当者は見逃しません。ビス穴を発見されると「通常損耗の範囲を超えている」と判断され、クロス一面の張り替えに加えて、ボードの補修費用まで上乗せされるケースがあります。
下地にまで穴が開いていると、実務的では下地のパテ埋めが必要です。パテで下地を整地してからクロスを貼らないと、穴が開いている箇所が目立つほか、そこから剥がれてくることがあるからです。
ここで考えるべきは、交渉テクニックよりも先に「剥がれを補修する」または「物理的に穴を整えておく」ことです。剥がれや穴がそのまま残っていれば、どうしても議論の中心になってしまいます。逆に、きちんと補修しておけば、担当者の視線は自然と別の場所へ移ります。議論の土俵にすら上げさせない。これが、余計なトラブルを避けるための鉄則です。
なお、このクロスを部分的にきれいにする作業は、実務では「パッチワーク」と呼ばれ、クロスの張替をするまでもない「軽微な剥がれ」などで実際に活用されています。
神器その3:高額請求のフローリングの最終兵器『かんたん補修セット』
最後にして最大の難所、それが「フローリングのキズと凹み」です。
退去費用を押し上げる最大の要因と言っても過言ではありません。重いものを落とした跡、椅子の引きずり跡、家具を動かした際についた擦り傷……これらは「通常損耗」と認められる可能性は低く、範囲が広ければ床一面のフローリングの張替を請求されることにもなりかねません。
フローリングの補修をプロに依頼すると、技術料だけで数万円かかります。さらに厄介なのは、管理会社によっては小さな凹み一つを理由に「床一面の張り替え」を主張してくるケースがあることです。キズをそのままにして相手の言い値から交渉を始めるのは、最初から不利な立場に立つようなものです。
ここで役立つのが「かんたん補修セット」です。単なるクレヨンタイプの補修材ではなく、熱で溶かして流し込むタイプもあり、床の硬さや光沢に驚くほど馴染みます。キズを物理的に埋めて平らにすることで、人目見ただけではそうそう判別がつきません。
使い方のコツは、複数の色を混ぜることです。フローリングは単色ではありません。少し明るい色と暗い色を混ぜて、自分の部屋の木目に合わせるのが良いでしょう。
なお、この商品はクレヨン状の色スティックを溶かす必要があります。そのため、利用にあたってはくれぐれもやけどなどにご注意ください。
まとめ:数千円の投資で、退去費用を数万円減額させよう
今回紹介した「三種の神器」を購入しても、費用は3,000円から5,000円程度です。
これで退去費用が3万円、場合によっては5万円以上浮く可能性があるなら、これほど効率の良い投資は他にありません。ただ、本当のメリットは金額だけではないのです。
「自分でできることはやった」という自信を持って、退去立会当日に担当者と対等に話ができる、この心の余裕こそが、納得のいく退去精算を引き寄せる最大の武器になります。
何もせずに臨む立ち会いと、できる限りの準備をして臨む立ち会いでは、担当者の態度も、そして自分の交渉の姿勢も、まったく違ったものになるはずです。
新生活への第一歩を、スッキリとした気持ちで踏み出しましょう。そのための準備は、思っているよりもずっとシンプルです。
