筑後市・柳川市・みやま市・八女市のリースバックで後悔しないために|買取価格・家賃・定期借家の罠と業者の本音を現役宅建士が解説

「自宅を売却して、そのまま賃貸として住み続けたい」

老後資金の確保や、急な現金需要への対応手段として、リースバックへの関心が年々高まっています。筑後市・柳川市・みやま市・広川町・八女市エリアでも、こういったご相談が増えています。

ただ、大手サイトや広告で見るリースバックの説明と、地方の現実には大きなギャップがあることも事実です。そこで、この記事では、実際にみやま市など福岡県南部でリースバック取引を手がけた現役宅建士が、買取価格・家賃設定・契約の落とし穴・会社選びまで、現場の本音をお伝えします。

目次

リースバックとは何か?仕組みと基本的な流れ

リースバックとは、自宅を不動産会社や投資家に売却し、売却後も同じ家に賃借人として住み続ける仕組みです。「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれます。

流れはシンプルです。まず自宅を売却して現金を受け取ります。同時に、買主(新しいオーナー)との間で賃貸借契約を結び、毎月家賃を払いながらそのまま住み続けます。将来的に資金が整えば、買い戻すことも可能です。

メリットは大きく3つです。まとまった現金をすぐに確保できること、自宅に住み続けられること、そして所有者でなくなることで固定資産税や建物の維持管理費の負担がなくなることです。

一方で、リースバックには知っておくべき落とし穴があります。以下で詳しく解説します。

地方のリースバックの現実|「市場価格の7〜8割」は都市部の話

大手サイトのリースバック解説を見ると、「買取価格は市場価格の7〜8割程度」と書かれていることが多いです。ただ、これは主に都市部の話です。

みやま市や柳川市のような地方・郊外エリアでは、事情が異なります。

まず、そもそもの市場価格が都市部と比べて低いです。古い一戸建ての場合、建物の価値はほぼゼロに近く、土地の評価も都市部とは桁が違います。「市場価格の7〜8割」という計算式を当てはめると、買取価格が非常に低い水準になることも珍しくありません。

さらに、売主側に急ぎの事情がある場合は、買取価格が下がりやすいです。リースバックを検討している方の多くは、何らかの事情で急ぎの現金が必要な状況にあります。業者側もその事情を把握したうえで価格交渉に臨むため、買い叩かれるリスクが否定できません。

実際に私が関わった案件でも、市場価格の7割前後での買取になったケースがあります。売主側に急ぎの事情があると、それだけ交渉の余地が狭まります。業者側は売主の事情を把握したうえで価格を提示してくるため、急いでいるほど不利な条件になりやすいという現実があります。

リースバックを検討するなら、まず「急がなくてもいい状態」を作ることが最大の交渉材料です。時間的な余裕があれば、それだけ買取価格の交渉が有利になります。

地方リースバックの逆説的メリット|家賃が安くなりうる理由

ここで、地方ならではの逆転の発想をお伝えします。

都市部のリースバックは買取価格が高い一方、家賃も高くなります。一方、筑後・柳川・みやま・八女エリアのような地方は、そもそも不動産価格が低いため、買取価格も低くなります。しかし同時に、家賃も低く設定できる可能性があるという逆説があります。

リースバックの家賃は「買取価格×利回り÷12ヶ月」という計算式が基本です。買取価格が低ければ、同じ利回りでも月々の家賃は安くなります。都市部で月15万円の家賃になるケースが、地方では月5〜6万円になることもあります。

ただし注意が必要です。業者が設定する利回りは交渉次第で変わります。買取価格が低くても利回りを高く設定されれば、家賃は上がります。

ではどうすればいいか。答えはシンプルで、先に「自分が必要な金額」と「毎月支払える家賃」を決めてから交渉に臨むことです。

リースバックは、構造的に見ると「お金に困った人が家を手放す代わりに現金を受け取り、その後も家賃を払い続ける」という取引です。売主と業者の間には情報量・交渉力の差があり、売主側が不利になりやすい構造があります。だからこそ、以下の3点を事前に整理してから相談に臨んでください。

  • いくらの現金が必要か(最低限必要な金額と、あれば嬉しい金額)
  • 毎月いくらまでなら家賃を払えるか
  • いつまで住み続けたいか(将来の買い戻し・施設入居・子どもへの引き渡しなど)

この3点を自分の中で整理したうえで、必ず複数の業者と交渉してください。1社だけに相談して決めることは避けるべきです。買取価格・家賃・契約条件はすべて交渉で変わります。複数社を比較することで、自分に合った条件を引き出せる可能性が高まります。

家賃設定の罠|周辺相場より高くなるのが普通

リースバックの家賃は、周辺の賃貸相場より高くなることがほとんどです。

理由は業者側の収益計算にあります。買取価格に対して一定の利回りを確保するために家賃を設定するため、周辺の賃貸相場とは連動しません。みやま市や柳川市、八女市のような地方・郊外では、アパートの家賃相場が低いにもかかわらず、リースバックの家賃がそれを上回るというミスマッチが起きやすいです。

たとえば、周辺のアパートが月5万円程度で借りられる地域で、リースバックの家賃が月7〜8万円になるケースがあります。「自宅に住み続けられる」という安心感と引き換えに、毎月の負担が増えるわけです。

また、将来的な買い戻しを前提としている場合は、家賃が高めに設定されることもあります。買い戻しが早期に行われる場合、業者は短期間で収益を確保・確定しようとするため、家賃が高めに設定されやすいです。契約前に「買い戻しを前提とした場合の家賃はいくらになるか」を必ず確認してください。

契約前に、周辺の賃貸相場と比較した家賃水準を必ず確認してください。「なぜこの家賃なのか」という根拠を説明できない業者とは契約しない方がいいです。

店長の独り言

「リースバックの買戻しは、いつでも簡単にできる、と考えてはいけません。これにはきちんとした理由があります。

そもそも、不動産を自宅として購入するときは「住宅ローン」を利用します。住宅ローンというくらいですから、住宅を購入するために利用することが条件です。また、金額も大きくなりますので、銀行などのフリーローンと比較しても、金利は1.5%から2%程度とかなり安く設定されています。

しかし、リースバックを悪用しようとすれば、住宅ローンの金利で他の用途へのお金を借りることと同義とみなされることがあります。

もしも買戻しを検討しているのであれば、リースバックを検討し不動産会社などと交渉している段階で、金融機関とも買戻しについての交渉を行うことをお勧めします。」

リースバックの最大の罠|定期借家契約で強制退去になるケース

リースバックで最も深刻なトラブルが「定期借家契約」による強制退去です。

定期借家契約は、契約期間が満了すると更新なく契約が終了する契約です。「2年間住めます」という契約を結んだ場合、2年後には退去しなければなりません。「ずっと住み続けられると思っていたのに」という高齢者のトラブルが、実務では少なくありません。

これに対して、普通借家契約は借主の権利が強く保護されています。正当な事由がない限り、貸主側から一方的に退去を求めることができません。

私はリースバックの契約において、原則として普通借家契約のみ使います。高齢のお客様が「この家に住み続けられる」という前提でリースバックを選択している以上、定期借家契約では本来の目的が達成できないからです。

契約書に「定期建物賃貸借契約」と書かれている場合は要注意です。必ず「普通借家契約にしてほしい」と交渉してください。それを断る業者とは契約しない方が賢明です。

【店長の独り言】

「定期借家でリースバックをする業者は、正直に言うと出口(転売・賃貸解消)を最初から考えている可能性があります。高齢者が「一生住める」と思って契約したのに、数年後に退去を迫られる。そういうトラブルを何件か見聞きしています。普通借家にこだわることは、リースバックを選ぶ側の最低限の権利です。

こういったトラブルを防ぐためにも、売買契約はもちろんのこと、賃貸に関する契約についてもきちんと目を通して理解しておくことが重要です。」

地方特有の事情|「ご近所に知られたくない」という心理

都市部と地方では、リースバックを選ぶ心理が少し異なります。

みやま市のような地方では、近所づきあいが密で、「あの家が売りに出た」という情報はすぐに広まります。「お金に困って家を売った」と思われることへの抵抗感は、都市部より強いです。

リースバックはこの点で優れています。外から見れば、普通に自宅に住んでいる状態と変わりません。売却したことが近所に知られにくいのです。

「家は売りたいが、近所に知られたくない」「子どもに心配をかけたくない」という方にとって、リースバックは現実的な選択肢のひとつです。ただし、だからこそ冷静な判断が難しくなりやすいということも覚えておいてください。

感情的な事情が絡むと、条件の精査が甘くなりがちになりますし、お金が必要という立場を悪用される可能性もあります。交渉は対等な立場で行うべきですので、冷静な判断を心がけるようにしてください。

リースバックの会社選び|後悔しないための判断基準

リースバックを扱う業者は、大手全国展開の業者から地場の不動産会社まで様々です。どの会社を選ぶかで、買取価格・家賃・契約条件が大きく変わります。どの会社に依頼する場合でも、以下の判断基準をそのまま使ってください。

判断基準① 普通借家契約に対応しているか

最初の確認事項です。「定期借家契約のみ」という業者は選ばない方がいいです。

判断基準② 買取価格の根拠を説明できるか

「なぜこの価格なのか」を明確に説明できる業者を選んでください。査定の根拠(土地の評価・建物の状態・周辺相場)を示せない業者は、恣意的な価格設定をしている可能性があります。

判断基準③ 家賃設定の根拠を説明できるか

家賃がなぜその金額なのかを説明できるかどうかです。「買取価格に対して利回り何%で設定しています」という説明ができる業者は信頼できます。

判断基準④ 買い戻しの条件を明確にしているか

将来的な買い戻しを想定している場合、買い戻し価格・期間・条件を契約前に明確にしてください。「買い戻しも可能です」という口約束では不十分です。書面で確認することが必須です。なお、金融機関によっては短期間での買い戻しに消極的なケースもあるため、その点も事前に確認しておく必要があります。

判断基準⑤ 地元のエリアに精通しているか

みやま市・筑後市・柳川市エリアの相場・法的制限・インフラ状況を正確に把握している業者かどうかです。全国展開の大手業者は認知度がありますが、地方の細かい事情まで把握しているとは限りません。

判断基準⑥ 業者の「保有方針」を確認しているか

これは見落とされがちですが、非常に重要なポイントです。リースバックで物件を取得した業者が、その後どうするつもりかによって、売主(借主)の生活に直接影響します。

業者の保有方針はおおむね3パターンに分かれます。これを把握しておくことで、自分の希望に合った業者を選べます。

パターンA:転売目的——一定期間後に転売するために取得するパターンです。このタイプは定期借家契約を使ってくることが多く、「ずっと住める」と思っていたのに数年後に退去を求められるリスクがあります。長く住みたい方には向いていません。

パターンB:長期保有目的——安定した家賃収入を得ながら長期間保有するパターンです。普通借家契約に対応しやすく、長く住み続けたい方にはこのタイプの業者が向いています。

パターンC:投資家への転売目的——入居者がいる状態のままオーナーチェンジで投資家に売却するパターンです。新しいオーナーが誰になるかわからないため、将来的な不安が残ります。

契約前に「取得後はどのような方針で保有されますか」と直接確認してください。答えを濁す業者とは契約しない方がいいです。自分が「長く住みたい」のか「数年後に買い戻す予定がある」のかによって、どのパターンの業者が合うかが変わります。

【店長の独り言】

「リースバックは「すぐに現金が必要」という状況で選ばれることが多いです。だからこそ、冷静に複数の業者を比較する時間を作ることが重要です。1社だけに相談して即決するのは避けてください。急いでいるほど、比較検討の時間が大切になります。」

リースバックが向いている人・向いていない人

リースバックはすべての人に適した選択肢ではありません。

向いている人: 急ぎでまとまった現金が必要だが、自宅に住み続けたい方。固定資産税や維持管理費の負担をなくしたい方。将来的に子どもに実家じまいの負担をかけたくない方(買い戻しがなければ、売却済みのため相続の手続きが不要になります)。

向いていない人: 急ぎでなければ、通常の売却の方が高値で売れる可能性が高いです。また、将来的に自宅を子どもに残したい方にも向きません。買い戻しを前提としている場合は、子どもの与信(融資を受けられる状態かどうか)を事前に確認しておくことが必須です。

「できるだけ長く住み続けたい」「買い戻しも視野に入れたい」という方は、まず自分の希望条件を整理したうえで、複数の業者に相談することをお勧めします。条件を明確にして交渉に臨むことが、リースバックで後悔しないための最大の防衛策です。筑後・柳川・みやま・八女エリアでのご相談は当サイトの問い合わせ窓口からもお受けしています。

不動産売却全般については以下の記事もあわせてどうぞ。

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この記事を書いた人:不動産会社店長

業界歴20年以上の現役店長。現場の第一線で培った知見を活かし、大手不動産メディアにて累計100本以上の専門記事を執筆中。 業界の表も裏も知り尽くした「不動産のプロ」として、不動産会社の不都合な真実を伝えます。

不動産・建築の専門家として、以下の大手メディアにて2026年現在も継続的に執筆・監修を行っています。

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