賃貸のコンロ・換気扇が故障したらどこに連絡する?ガスコンロ・IH・レンジフードなどキッチンの症状別対処法を現役店長が解説

コンロの火がつかない、換気扇の効きが悪い。賃貸物件で生活をしていると、このようなトラブルが発生することがあります。

もしも、室内にガス臭がしている場合は、この記事を読む前にすぐ動いてください。電気スイッチには一切触れず、窓を開けて換気し、屋外に出てからガス会社に連絡してください。詳しい手順は本文で解説しています。

ガス臭がない場合は、落ち着いて読み進めてください。コンロの故障のほとんどは電池切れやバーナーの汚れなど、セルフチェックで解決できるケースです。それ以外は管理会社への連絡で対応してもらえます。

この記事では、ガスコンロ・IH・換気扇・レンジフードの症状別対処法と管理会社への伝え方、費用負担の考え方まで、賃貸管理20年の現役店長が現場の本音を交えて解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、賃貸生活の参考にしてください。


目次

賃貸のコンロ・換気扇トラブル——まず自分の状況を確認する

同じ「コンロが使えない」でも、状況によって最初にやることがまったく異なります。

状況緊急度最初の対応
ガス臭がする最高電気スイッチ厳禁→換気→屋外からガス会社へ
火が全口つかない(臭いなし)電池・ガス栓のセルフチェック→管理会社へ
火が一口だけつかない低〜中バーナー・点火プラグの確認→管理会社へ
IHが動かない・エラー表示ブレーカー・エラーコード確認→管理会社へ
換気扇・レンジフードが動かない・異音低〜中フィルター清掃→改善しなければ管理会社へ

賃貸のコンロが火がつかないとき——まずセルフチェック、それから管理会社へ

コンロの火がつかない場合、実は故障ではないケースがかなりあります。管理会社に連絡する前に、次のセルフチェックを試してみてください。

「チチチ」音で症状を切り分ける

点火ボタンを押したときに「チチチ」というスパーク音がするかどうかが、最初の診断ポイントです。この切り分けで原因がほぼ特定できます。

「チチチ」音がしない場合→電池・電気系の問題

全口で火がつかず、チチチ音もしない場合はほぼ電池切れです。ガスコンロは乾電池で点火しているため、電池が切れるとスパーク音すら出なくなります。まず電池を新品に交換してみてください。古い物件のコンロには電池交換のお知らせ機能がないものも多く、気づかないまま使い続けているケースがよくあります。

電池を交換しても改善しない場合は、電気系統の故障が考えられますので管理会社に連絡してください。

「チチチ」音がする場合→バーナー・ガス系の問題

チチチ音はしているのに火がつかない場合、電気は来ているがガスと点火の問題が起きています。次の順番で確認してください。

まずバーナーキャップの状態を確認します。煮こぼれや洗い物の後で濡れていたり、位置がずれていたりすると火がつきません。取り外して乾燥させ、正しい位置にセットし直してみてください。

次に点火プラグを確認します。バーナーキャップの近くにある先端が尖った部品で、油汚れや水分が付着していると火花がうまく出ません。使い古しの歯ブラシで軽く清掃し、水気をしっかり拭き取ってください。

ガス栓が閉まっていないかも確認しましょう。ガスメーターのランプが赤く点滅している場合は安全装置が作動してガスが止まっています。地震の後などに起きやすく、メーターの復帰ボタンを押すことで解消できます。

なお、コンロだけでなく給湯器でもお湯が出ない場合は、ガスの供給自体に問題がある可能性があります。ガス会社に確認してください。

ガスコンロの名称と部位は、以下のサイトが参考になります。

参考:大阪ガス 「ガスコンロ汚れの掃除方法」

セルフチェック後も改善しない場合は管理会社へ

上記を試しても改善しない場合は、管理会社に連絡です。連絡の際には型番・ガス種(都市ガスかプロパンか)・症状を伝えると対応が速くなります。ガス種を伝えると対応業者の選定がスムーズになりますので、最初に伝えておくことをおすすめします。

なお、24時間駆けつけサービスへの連絡も効果的です。ガスの軽微な修繕などは対応してくれることがあるため、管理会社が休み、ガス会社もわからないときは、一度相談してみるのがよいでしょう。

ガス臭がしたとき——電気スイッチにも触れずにまず換気とガス会社へ

ガス臭がした場合の対応は、他の設備トラブルとはまったく別物です。ガス漏れへの対応はガス会社の専門領域であり、管理会社に連絡しても対応できません。正しい順番を知っているかどうかが、文字通り命を守ることにつながります。

絶対にやってはいけないこと

ガス臭がしたとき、次の行動は絶対に避けてください。

換気扇・扇風機のスイッチを入れてはいけません。電気スイッチをオン・オフする際にスパークが発生し、ガスに引火する危険があります。換気したいという気持ちはわかりますが、電気系統には一切触れないことが鉄則です。

また、コンロが点かないからと言って、ライターやマッチで火をつけるのもご法度です。ガスが漂っている空間で火をつければ、引火・爆発につながります。

加えて、室内での電話も避けておきましょう。スマートフォンも電気製品です。屋外に出てから連絡してください。そのほか、照明器具のスイッチを含め、スイッチは一切触らず、屋外に退避してください。

正しい初動手順

STEP 1:コンロのつまみをオフにする

STEP 2:ガスの元栓を閉める

STEP 3:窓を開けて換気する 都市ガスは空気より軽く天井に溜まります。うちわなどで上から外へ向けて風を送り出してください。プロパンガスは空気より重く床に溜まります。ほうきなどで床面のガスを外へ掃き出してください。

STEP 4:屋外に出てからガス会社に連絡し、指示を仰ぐ

STEP 5:ガス感知器が鳴動していないか確認する

STEP 6:管理会社にも状況を報告する

なお、ガス臭ではなくコンロの点火失敗でガスが少量放出されたときも、同じく換気を最優先にしてください。点火ボタンを何度も繰り返し押すと、ガスが漂った状態になります。


賃貸のコンロ症状別トラブルガイド

賃貸のガスコンロが全口つかない

現場の経験から言うと、全口つかない場合のほとんどは電池切れかガス供給の問題で、コンロ本体の故障は意外と少ないです。前述のセルフチェックで解決するケースが大半ですので、まず試してみてください。

セルフチェックで改善しない場合は管理会社に連絡します。型番と症状を伝えると、修理か交換かの判断が速くなります。なおコンロの標準使用期間は約10年で、10年を超えている場合は部品がなく修理できないケースもあり、交換対応になることがあります。

賃貸のガスコンロが一口だけつかない

一口だけつかない場合は、点火プラグの劣化や焦げ付き、バーナーキャップの汚れがほとんどの原因です。入居者の過失と判断されることはほぼなく、家主負担が原則ですので、費用の心配は不要です。

バーナーキャップの清掃・乾燥で改善することもありますので、まず試してみてください。改善しない場合は症状・型番・ガス種を管理会社に伝えて連絡してください。

賃貸のIHが動かない・エラーコードが出る

まずブレーカーが落ちていないか確認してください。IHは消費電力が大きいため、他の家電と同時使用でブレーカーが落ちることがあります。

エラーコードはメーカーのホームページか取扱説明書で確認できます。改善しない場合は管理会社に連絡してください。

ここで一点、IHへの変更を希望する入居者から相談を受けることがありますが、賃貸では基本的に不可です。IHには200V専用回路が必要で、電気工事だけで数万円かかります。古い物件では分電盤の交換も必要になり、家主が許可しないケースがほとんどです。

店長の独り言

「余談ですが、逆パターンとして現場でたまに対応するのが、エコキュート(電気給湯器)が故障して修理費が高額になる場合のLPガス給湯への変更です。LP会社にとっても新しい供給先になるためメリットがあり、工事費が安く抑えられることが多いです。

こういったイレギュラー発生時の柔軟な対応は、家主の意向や、担当者の知識など、さまざまな要素により判断が異なりますので、物理的には可能なんだ、程度で覚えておくとよいでしょう。」


賃貸の換気扇・レンジフードが故障したときの対処法

換気扇・レンジフードのトラブルに気づくきっかけは、「吸いが悪くなった」か「異音がする」のどちらかがほとんどです。そしてこれらの症状が出た場合、修理ではなくほぼ交換対応になるのが実態です。

まずフィルターの清掃を試してみてください。フィルターの詰まりが原因であれば、清掃するだけで改善します。フィルター清掃は、入居者が行う日常的なメンテナンスの一つです。家主や管理会社は何もしてくれませんので、必ず定期的に実施しましょう。

清掃後も改善しない場合は管理会社に連絡してください。モーターの劣化が原因であることがほとんどで、経年劣化による故障は家主負担です。

ただし注意しておきたいのは、故障の原因です。油汚れがひどい状態で故障した場合、メンテナンス不足として借主負担になることがあります。換気扇は定期的に清掃しておくことが、費用トラブルを防ぐ意味でも、押さえておきたいポイントです。

また換気が悪い状態が続くと、コンロの炎が不安定になるほか、油煙が部屋に広がってカビや汚れの原因になります。異音や吸いの悪さを感じたら早めに管理会社に連絡してください。


管理会社への連絡、何を伝えると対応が速くなるか

コンロ・換気扇系のトラブルで管理会社への連絡をスムーズにするために、次の情報を伝えてください。

  1. 症状の詳細:全部点火しないか、一口だけか、音はするか、エラーコードの表示内容
  2. いつから:症状が出始めた時期
  3. 型番:コンロ本体に記載あり
  4. ガス種:都市ガスかプロパンか(わからない場合は契約書を確認)
  5. 写真・動画:エラーコードの表示や症状が出ている状態

特にガス種は最初に伝えると対応業者の選定が速くなります。プロパンガスの場合はガス会社への連絡も並行して必要になることがあります。


賃貸コンロ・換気扇の修理費用は誰が負担する?

原因費用負担
点火プラグの劣化・焦げ付き家主負担
コンロ本体の経年劣化(寿命約10年)家主負担
換気扇・レンジフードの経年劣化家主負担
換気扇の油汚れ放置による故障借主負担の可能性あり
残置物のコンロ故障入居者負担
入居者の明らかな過失による破損入居者負担

残置物かどうかは室内設備表または重要事項説明書で確認してください。「設備」として記載があれば家主負担が原則です。もちろんですが、ご自身で持ち込まれたガスコンロの故障は入居者の負担となります。


まとめ

コンロ・換気扇のトラブルは、ガスが絡む分だけ他の設備より慎重な対応が求められます。特にガス臭がした場合の初動は、電気スイッチに触れずに換気→屋外からガス会社へ連絡、この順番だけは必ず守ってください。

ポイント内容
ガス臭がした場合電気スイッチ厳禁→換気→屋外からガス会社へ。管理会社より先
火がつかない場合まず電池・バーナー・ガス栓のセルフチェック
費用負担経年劣化は原則家主負担。換気扇の油汚れ放置は借主負担の可能性あり
管理会社への連絡症状・型番・ガス種・写真を伝える
IH変更希望賃貸では基本的に不可
コンロの寿命約10年。10年超は交換対応になることが多い

賃貸の設備トラブルに関する関連記事はこちらです。あわせてご参照ください。

  • URLをコピーしました!
目次