賃貸の保証会社とは?仕組み・費用・審査・断れるかを現役店長が本音で解説

「保証会社って何のために払うの?」「連帯保証人がいるのになぜ保証会社も必要なの?」

賃貸契約のたびにこんな疑問を持ちながらも、よくわからないまま払っている方は多いはずです。保証会社は今や全国の賃貸物件の9割以上で利用が必須となっており、避けて通れない存在です。

仕組みを正しく理解しておくと、費用の比較から審査への備えなど、保証会社に対する印象も変わりますし、納得して賃貸契約を進めることができるでしょう。

そこで、この記事では、賃貸仲介・管理20年以上の現役店長が、保証会社について知っておくべきことを本音でお伝えします。

この記事でわかること

  • 保証会社とは何か・連帯保証人との違い
  • 費用の相場と月額型・更新型どちらを選ぶべきか
  • 保証会社は断れるか——現場の本音
  • 信販系・協会系・独立系の違いと審査への影響
  • 保証会社の悪評の正体と、信頼できる会社の見分け方
  • 滞納したら実際に何が起きるか
目次

賃貸の保証会社とは——連帯保証人との違いをわかりやすく解説

保証会社(家賃保証会社・賃貸保証会社)とは、入居者が家賃を支払えなくなった際に、家主に代わって家賃を立て替える会社です。従来は親族などの連帯保証人が担っていた役割を、会社として代行するサービスです。

連帯保証人との最大の違いは「人への依頼」か「仕組みへの加入」かという点です。連帯保証人は家主にとって「いざというとき払ってくれる人間関係」であり、保証会社は「いざというとき確実に払ってくれる仕組み」です。

家主・管理会社からすれば保証会社の方が確実性が高く、今や保証会社利用を入居条件としている物件は全国で9割以上に達しています。

連帯保証人保証会社
費用不要保証料が必要
審査家主・管理会社が判断保証会社が独自審査
確実性人間関係に依存仕組みとして保証
選択入居者が頼む管理会社が指定する

店長の独り言

「連帯保証人になってくれる人がいるのになぜ保証会社?」という質問はよく受けます。連帯保証人は「その人が払ってくれるか」という人的な信頼に依存しますが、保証会社は仕組みとして確実に払ってくれます。

管理会社・家主からすれば保証会社の方がずっと安心なので、「連帯保証人よりも保証会社」という物件が増えているのが実態です。

保証会社の費用相場——月額型と更新型、どちらを選ぶべきか

保証会社の料金体系は大きく2パターンです。月額型と更新型の両方がかかる保証会社はほぼありません。どちらか一方です。

パターン初回保証料ランニングコスト
月額型家賃の0.5〜1か月分毎月、家賃の1〜2%
更新型家賃の0.5〜1か月分1〜2年ごとに1〜2万円

どちらが得かの目安として、月額型(家賃の1%と仮定)と更新型(2年ごと1万円と仮定)の損益分岐点は家賃8万円前後です。8万円未満なら月額型の方が割高になりやすく、8万円以上なら更新型の方が割高になりやすい計算です。

ただし、いつ退去するかはわかりません。更新型は更新直後に退去すると更新料が丸ごと無駄になります。退去タイミングを問わず損をしにくいという意味では、月額型の方がベターと考えることもできます。

店長の独り言

「初回保証料にはボトムライン(最低金額)が設定されていて、上乗せ分が仲介会社や管理会社の取り分になっているケースがあります。交渉次第で下がる可能性がゼロではありませんが、こういった構造を持つ保証会社はあまり質が良くないことが多く、稀なケースです。

また、収納代行手数料(月100〜660円程度)がかかる保証会社もあります。2年住むと最大1万5千円超の差になるため、手数料まで含めて総額で比較するのが正確な判断です。」

保証会社は断れるか——現場の本音

結論から言えば、ほとんどの場合断れません。保証会社の利用を入居条件としている物件では、審査を通過することが契約の前提です。「断る」ことは、その物件への入居をあきらめることとほぼ同義です。

保証会社なしで契約できる例外としては、家主が直接管理していて連帯保証人のみで対応してくれる物件、UR賃貸住宅(保証会社・連帯保証人ともに不要)、公営住宅(保証会社不要のケースが多い)などがあります。

店長の独り言

「『保証会社を断りたい』という気持ちはわかりますが、保証会社なしで借りられる物件は年々減っています。

『断れるか』より『どの保証会社が使われるか』『審査が通りやすい保証会社か」』を事前に仲介業者に確認する方が、はるかに現実的です。」

保証会社の種類と審査の違い——信販系・協会系・独立系

保証会社は大きく3種類に分かれており、審査の厳しさがまったく異なります。入居審査に不安がある方は、どの種類の保証会社が使われるかを事前に確認しておくことが重要です。

種類審査の厳しさ参照する情報
信販系厳しい個人信用情報(クレジット・ローン履歴)。過去の滞納歴があるとほぼ通らない
協会系(LICC・CGO等)中程度加盟会社間で過去の滞納歴を共有。一社で問題があると同系列は通りにくい
独立系比較的緩やか独自基準のみ。他で落ちても通るケースがある

保証会社を選ぶのは管理会社であり、入居者が自由に選べるわけではありません。一次審査(信販系)で落ちた場合に二次・三次審査として別の保証会社に切り替えてくれることがあります。

審査に不安がある場合は申込前に仲介業者に「どの保証会社が使われますか?一次で落ちた場合の次の保証会社はありますか?」と確認しておくのが正しい動き方です。

保証会社の悪評の正体——「逆恨み」と「持ち逃げ倒産」の歴史

保証会社は口コミサイトで評価が低いことが多く、「悪い会社が多い」というイメージを持っている方もいます。しかし中身をよく読むと、ほとんどが「滞納したときに督促された」ことへの恨み節です。これは保証会社への正当な批判ではなく、個人的な逆恨みにすぎません。

家賃を滞納すれば督促されるのは当然のことです。身の丈に合った家賃帯の物件を選ぶこと、何かあっても数ヶ月は耐えられる貯蓄を持っておくこと——冷たいように感じるかもしれませんが、それが賃貸生活を安定させる基本です。

一方、かつては保証会社による持ち逃げ倒産という問題が実際に起きていました。入居者から集めた保証料を抱えたまま倒産するケースです。この問題を受けて、現在は保証会社に対して国土交通省への登録制度が設けられています。

登録には一定の要件を満たすことが必要であり、悪徳な会社や社歴の浅い会社は登録できない仕組みになっています。登録会社の一覧は国土交通省のウェブサイトで確認できます。

出典:国土交通省「登録家賃債務保証業者一覧」

保証会社に入るメリット——孤独死保険が附帯されている

保証会社は「費用がかかるデメリット」ばかり語られがちですが、意外と知られていないメリットがあります。

多くの保証会社では、孤独死に備えた保険が附帯されています。万が一孤独死が発生した場合、通常の退去をはるかに超える原状回復費用(特殊清掃・リフォームなど)がかかります。保証会社の孤独死保険はこうした費用の一部(一般的に上限100万円程度)をカバーしてくれます。

入居者本人の視点では「自分が亡くなった後に相続人や連帯保証人に多大な迷惑をかけずに済む」という安心感につながります。家主・管理会社の視点では「孤独死リスクがある入居者(高齢者・単身者)でも安心して受け入れられる」ため、入居の間口が広がるメリットがあります。

保証会社の費用は、こうした附帯保険の価値も含めて考えると一概に損とは言い切れません。

保証会社の保証範囲と原状回復費用の上限

保証会社が保証するのは家賃だけとは限りません。契約内容によって保証範囲が異なります。

基本的に保証される項目:滞納家賃・管理費・共益費

保証会社によって異なる項目:退去時の原状回復費用・駐車場代・水道光熱費・違約金・損害金

原状回復費用が保証される場合、上限はおおむね家賃の3か月分程度が目安です。さらに重要なのは、保証会社が原状回復費用を保証するのは「管理会社または家主と合意した内容・金額」に限られるという点です。管理会社が勝手に決めた金額を保証会社が丸ごと払ってくれるわけではありません。

退去時の費用をめぐるトラブルを防ぐためには、退去立会いの段階で正確に確認することが重要です。

保証会社加入後の家賃支払い方法——収納代行とは

保証会社に加入すると、家賃の支払い方法が変わることがほとんどです。多くの場合「収納代行」という仕組みが使われます。

収納代行とは、毎月25〜28日頃に口座から家賃が自動引き落とし(口座振替)され、同時に管理会社や家主に同額が支払われる仕組みです。振込忘れや残高不足があっても、家主・管理会社は確実に家賃を受け取れます。

一方、従来型の「振込→未納→保証会社へ連絡→立て替え」という流れは「事後報告型」と呼ばれます。収納代行の方が管理会社の手間が少なく、現在は主流です。なお、口座振替の際に収納代行手数料(100〜660円程度)がかかる保証会社もあります。2年間で最大1万5千円超の差が出るため、手数料がかからない保証会社を選べると長期的な負担が減ります。

滞納したら実際に何が起きるか

「保証会社が払ってくれるから大丈夫」という誤解をしている方がいますが、保証会社は立て替えるだけで、最終的な支払い義務は入居者にあります。

滞納が発生すると、まず保証会社から督促の連絡が入ります。対応しない場合は管理会社・家主にも連絡が入り関係が悪化します。長期化すると信用情報に影響が出たり、次の賃貸契約で同系列の保証会社に弾かれたりするリスクがあります。最終的には明渡し請求・強制退去という手続きに発展することもあります。家賃は絶対に滞納しないことが、長期的なコストを下げる唯一の方法です。

また、滞納すると、滞納するごとに「督促手数料」として1,000円~2,000円程度の費用が追加で請求されることがあります。結果的に支払額が増えることになるため、口座残高などは常にチェックしておき、滞納を起こさないようにしましょう。

まとめ

保証会社は現代の賃貸契約でほぼ必須の仕組みです。「断れるか」を考えるより「どの保証会社が使われるか」「月額型と更新型どちらか」「収納代行手数料はかかるか」を事前に確認することが現実的なアプローチです。

費用は初回保証料だけでなくランニングコストまで含めた総額で比較してください。保証会社には孤独死保険・24時間サポートなどの附帯サービスという価値もあります。そして家賃の滞納はどのような状況であっても絶対に避けるべき行動です。退去時の原状回復費用については、保証会社の保証範囲と上限を正確に把握した上で、退去立会いに臨みましょう。

📌 退去費用・原状回復についてはこちら

保証会社が保証する原状回復費用は「管理会社と合意した金額」が前提です。退去立会いで何をどう確認すべきか、どこまでが借主負担かを知っておくと、退去時のトラブルを未然に防げます。

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この記事を書いた人:不動産会社店長

業界歴20年以上の現役店長。現場の第一線で培った知見を活かし、大手不動産メディアにて累計50本以上の専門記事を執筆中。 業界の表も裏も知り尽くした「不動産のプロ」として、不動産会社の不都合な真実を伝えます。

不動産・建築の専門家として、以下の大手メディアにて2026年現在も継続的に執筆・監修を行っています。

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