バス・トイレ別のメリット・デメリット|現役店長が教えるユニットバスの正しい選び方

賃貸物件を探すとき、「バス・トイレ別」の条件は外せないと思っている方がほとんどです。ただ、その条件にこだわり続けることで、家賃が上がったり部屋が狭くなったりしていることに気づいていない方も多いのではないでしょうか。

私は不動産会社の店長として20年以上、数千件の入退去に関わってきました。現場の視点から見ると、バス・トイレ別へのこだわりが「実際の生活の快適さ」につながっていないケースは少なくありません。この記事では、バス・トイレ別のメリット・デメリットを整理しながら、ユニットバスを選ぶことで何が得られるかを正直にお伝えします。


この記事でわかること

  • バス・トイレ別にこだわることで失っているもの(家賃・居室の広さ)
  • 退去立会いで見えてくる「掃除の逆転現象」
  • ユニットバスを快適に使うための具体的な方法
  • 内見時に必ず確認すべき2つのポイント
  • 本当に必要なのは「バス・トイレ別」ではなく「独立洗面台」かもしれない理由

目次

バス・トイレ別にこだわると何を失うか

バス・トイレ別を絶対条件にしたとき、何を得て何を失っているかを整理することが大切です。

多くの方が「バス・トイレ別=快適な生活」と結びつけていますが、現場で物件を見続けてきた立場からすると、その条件ひとつが年間6万円の出費と居室1畳分の狭さをもたらしているケースが頻繁に見られます。

検索条件を設定する前に、まず「何のためにバス・トイレ別が必要なのか」を整理してみることから始めましょう。

家賃差は年間で6万円になる

一般的な賃貸物件を比較すると、同じ立地・築年数でもバス・トイレ別かどうかで月々5,000円前後の差が出ることが一般的です。年間にすると6万円になります。

6万円あれば旅行に行けますし、趣味や自己投資に充てることもできます。「平日は仕事で帰って寝るだけ」というライフスタイルの方にとって、その6万円がバスとトイレを別にするためだけに消えているとしたら、ちょっともったいない気がしますよね。

特に、単身赴任で家賃を安く抑えたい人や、仕事場の近くに寝るだけの部屋を借りたい人などは、一度立ち止まって考え直しても良いでしょう。

居室が1畳分狭くなる

限られた専有面積の中でバスとトイレを分けると、壁やドアが増える分だけ居室が狭くなります。20平米前後のワンルームでは、この差が1畳分ほどになることがあります。

6畳と7畳では、家具のレイアウトの自由度がまったく違います。ベッドとデスクとソファを置けるかどうかは、この1畳の差で決まることがあります。ポータルサイトの検索で「バス・トイレ別」にチェックを入れたとき、実は「居室が1畳分狭い物件だけを見せてください」とも言っているのです。

本当に欲しいのは「独立洗面台」かもしれない

「バス・トイレ別がいい」理由を聞くと、「鏡の前で身支度を整えたい」「洗顔や歯磨きの場所が欲しい」というケースが多くあります。その場合、本当に必要なのは「バス・トイレ別」ではなく「独立洗面台」です。

独立洗面台があればユニットバスでも朝の身支度の問題は解消できます。この2つは別の条件ですが、混同して物件を絞り込んでいる方が多いです。自分が本当に求めているものを整理してから条件を設定することをおすすめします。

そうはいってみても、多くのユニットバスの賃貸物件では独立洗面台がないことがほとんどです。あればラッキー、くらいに考えておくのがよいでしょう。


退去立会いで見えてくる「掃除の逆転現象」

数千件の退去立会いを経験してきた立場から、バス・トイレ別とユニットバスの「清潔さ」について正直にお伝えします。

「ユニットバスは不潔」というイメージは、現場の実態と一致していないことがあります。退去時の部屋の状態を見ると、独立したトイレの方が不潔な状態で返ってくるケースが目立ちます。これは「掃除の手間が2倍になる」というバス・トイレ別のデメリットが、日常の中で積み重なった結果です。

独立トイレの床は「お風呂のついでに掃除」ができない

独立したトイレは、お風呂掃除のついでに一緒に洗うことができません。トイレの床の隅や便器の裏など、手が届きにくい場所の汚れが蓄積しやすくなります。退去時の状態として、独立トイレの床の汚れが目立つケースは現場で嫌になるくらい見てきました。

一方でユニットバスはシャワーで壁から床まで丸洗いができます。毎日のお風呂のついでに全体を流せるため、習慣的に清潔さを保ちやすい構造です。手間がかからないからこそきれいに保てる、という側面があります。

店長の独り言

「私も比較的ズボラなほうですが、お風呂などは洗剤をびしゃがけして丸洗いする方法を推奨しています。最近ではこすらなくても良い洗剤が多数販売されていますので、こういったものを利用して毎日の掃除の手間を省く、というのもコスパが良いライフスタイルかもしれません。」


冬場はユニットバスの方が暖かい

独立したお風呂は脱衣所が寒く、入浴前の温度差によるヒートショックのリスクが伴います。高齢の方だけでなく、健康な若い方にとっても冬場の浴室の寒さは不快です。

ユニットバスは空間が狭いぶん、シャワーの熱気ですぐに室内が暖まります。居室からの熱も伝わりやすく、真冬でも比較的温かい環境で入浴できます。「冬場が寒い」という問題が、実はユニットバスの方が少ないという側面があります。


ユニットバスを快適に使うための方法

ユニットバスに住むことを「我慢する」と考える必要はありません。使い方を工夫するだけで、清潔で快適な空間をつくることができます。

今は100円ショップやホームセンターで使えるグッズが豊富に揃っており、適切に活用すれば入居初日からストレスなく生活を始めることができます。「ユニットバスは不便」というイメージは、多くの場合が使い方の問題です。

シャワーカーテンの選び方でトイレ側は濡れない

「トイレが濡れる」という不満の多くは、シャワーカーテンの選び方と使い方に原因があります。薄い安価なものではなく、適度な重みのある防カビ仕様のカーテンを選び、裾をしっかり浴槽の内側に入れて使うことで、水はねはほぼ防げます。

カーテンを正しく使えばトイレ側は常に乾いた状態を保てます。この一点だけでユニットバスへの不満の大部分は解消できます。

補足しておきますと、シャワーカーテンは「カビがはえやすい」という弱点があります。また、ふとシャワーを浴びているときに体にくっついて、なんだか嫌な気分になる人もいらっしゃるでしょう。

それを踏まえ、シャワーカーテンはご自分で定期的に取り換えたり、掃除することをおススメします。シャワーカーテン選びにあたっては、透明で抗カビ処理が施されているものを選ぶと安心です。


「浮かせる収納」でカビを防ぐ

シャンプーや石鹸を棚や床に置くと、接触面にヌメリが発生しやすくなります。マグネット式の壁面収納を使って浮かせて収納するだけで、ヌメリが防げて掃除も楽になります。

ユニットバスはスペースが限られているぶん、物を置かなければシンプルで清潔な空間になります。余計なものを置かない習慣が、快適さに直結します。


内見時に確認しておくべき2つのポイント

ユニットバスの物件を内見するとき、見た目の清潔感だけでなく、実際の使い勝手と衛生面に関わる部分を必ず確認してください。築古の物件には「コストの罠」が潜んでいることがあります。入居後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、内見の段階でプロが見るポイントを押さえておくことが大切です。ここで紹介する2点は、内見時に1分あれば確認できることです。

古いトイレの水量を確認する

ユニットバスが標準だった時代の古い物件には、一度に流れる水量が現行モデルより多いトイレが設置されていることがあります。水量が多いと水道代に直結します。

内見時に一度水を流してみて、水の量が適正かどうかを確認してください。無駄に多い場合は水道代がかさむ可能性があります。些細に見えますが、毎日何度も使うものだけに長期的なコストに影響します。

シャワーカーテンの「使い回し」は断る

内見時にシャワーカーテンが設置されている場合、前の入居者が使っていたものがそのまま残っている可能性があります。衛生面の問題があるため、「入居前に新品に交換してほしい」と担当者に伝えてください。

交渉が通らない場合でも、カーテン自体は安価に購入できます。入居時に必ず自分で新調することをおすすめします。また、カーテンが汚れた状態で放置されている物件は、全体的な管理体制への疑問材料にもなります。


まとめ:本当に必要な条件を絞り込んでから物件を探す

バス・トイレ別へのこだわりは、年間6万円の家賃差と居室1畳分の広さを犠牲にしている可能性があります。退去立会いの現場から言えば、ユニットバスが特別不潔というわけではなく、使い方次第で清潔に保てる設備です。

「バス・トイレ別」を条件から外すのが不安な方は、まず自分が本当に求めているものを確認してください。朝の身支度の場所が欲しいなら「独立洗面台があるか」に絞って条件を見直すことで、選択肢が一気に広がります。洗面台さえあれば、ユニットバスのデメリットの多くは解消できます。

ユニットバスで浮いた家賃を別のことに使う。広くなった居室でゆったり暮らす。その判断をするためにも、まず「なんとなく」の条件を一度整理することをおすすめします。

物件の条件設定や内見のポイントはこちらもご覧ください。 → 賃貸の内見チェックリスト|現役店長が教える確認すべき32のポイント

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この記事を書いた人:不動産会社店長

業界歴20年以上の現役店長。現場の第一線で培った知見を活かし、大手不動産メディアにて累計50本以上の専門記事を執筆中。 業界の表も裏も知り尽くした「不動産のプロ」として、不動産会社の不都合な真実を伝えます。

不動産・建築の専門家として、以下の大手メディアにて2026年現在も継続的に執筆・監修を行っています。

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