不動産会社に何でも相談していい?農地・相続・空き家活用まで頼れる範囲を現役宅建士が本音で解説

「農地の処分を相談したいけど、売買にならない話だと嫌がられそう」「相続した実家の片付けから売却まで、ひとつの会社にまとめて頼めるのか」「建蔽率を超過している物件、そもそもどこに相談すればいいのか」

筑後市・柳川市・みやま市・広川町・八女市エリアでも、不動産会社にこういった相談を持ち込もうとして、躊躇している方は意外と多いです。

でも、そのまま抱え込んでいる必要はありません。

令和6年7月1日に国土交通省が宅建業法の運用ガイドラインを改正しました。ざっくり言うと、不動産会社が仲介業務とは別にコンサルティング業務として報酬を受け取れることが明確になった、ということです。これまで「売買にならない相談は持ち込みにくい」という空気があったのが、だいぶ変わりつつあります。

この記事では、現役宅建士として実際に現場で動いている立場から、不動産会社に何を相談できるのかを本音でお伝えします。

目次

令和6年の改正で何が変わったの?不動産会社に相談できる範囲が広がった理由

これまで不動産会社が受け取れる報酬は、宅建業法によって仲介手数料に厳しく限定されていました。売買や賃貸の仲介が成立して初めて報酬が発生するという仕組みです。

この規制の影響で、実務上こんな問題が起きていました。

たとえば筑後・柳川・みやま・八女エリアで多い農地の相続案件で、農業委員会との交渉や転用の相談に時間と労力をかけても、最終的に売買が成立しなければ報酬がゼロ。こういった案件には積極的に関わりにくく、結果として「めんどうな案件には手を出さない」会社が多かったというのが現実です。

令和6年7月の改正によって、仲介業務とは別に、コンサルティング業務として独立した報酬を受け取れることが明確になりました。依頼者の承諾があって、仲介業務とは区分された形で提供される場合に限りますが、農地の転用相談・相続した物件の活用検討・難しい物件の出口探しなど、これまで「相談しにくかった」内容でも、不動産会社が動きやすくなっています。

依頼者にとってのメリットも明確です。売買や賃貸の成立を前提にしなくても、専門家として一緒に考えてもらえる機会が増えてきた、ということです。

不動産会社に相談できること|主な対応業務の一覧

令和6年の改正でコンサルティング業務として対応可能になった主な業務を整理します。筑後市・柳川市・みやま市・広川町・八女市エリアの不動産会社でも、対応できる業務が広がっています。対応範囲は会社によって異なりますし、全部できるわけではありません。ただ「相談してはいけない」ということはないので、まず現状を話してみることが第一歩です。

相続・権利関係: 相続相談及び手続き支援・権利関係の整理や手続きサポート・他士業(司法書士・税理士・弁護士など)のあっせんや連絡調整

売却・活用の提案: 売却・贈与・賃貸・解体など手法ごとの収支シミュレーション・利活用に向けた課題整理と活用方針の提案・任意売却の相談及びサポート

資金・融資: 資金計画・資金調達の提案やサポート・補助金など支援制度の紹介及び相談

管理・実務サポート: 賃貸物件の空室対策提案・境界確定に関する助言やサポート・リフォーム提案・支援

空き家関連: 定期的な見回り点検・郵便物の保管や転送・家財の片付けや処分の代行・除草・通風・清掃などの空き家管理

【店長の独り言】

「実は業界内でもこの改正はまだあまり知られていません。アンケート調査では、コンサルティング報酬を受領できる可能性があったケースの87.9%が実際には請求していないという結果が出ています。つまり、不動産会社自体も『仲介手数料以外は取れない』という認識のままの業者が多いのが現実です。

なので、依頼者側から『これも相談できますか?』と聞いてみることが、実は大切なアプローチだったりします。」

現場でよくある3つのケース|こんな相談も不動産会社に持ち込んでいい

具体的にどんな場面でコンサルティング業務が発生するのか、現場の実例をもとにお伝えします。特に、福岡県南部エリアでは、このようなご相談をいただくことが多いので、ぜひ参考にされてください。

ケース① 農地の相続——農業委員会への橋渡し

筑後・柳川・みやま・八女エリアで一番多いのが農地の相続案件です。農地は農地法の規制があって一般の方への売却が難しく、農業委員会との交渉や転用の相談が必要になります。

これまでは農業委員会への橋渡しや相談対応に時間をかけても、売買が成立しなければ報酬がゼロでした。令和6年の改正以降は、こういった業務をコンサルティング業務として別途報酬を受け取れる環境が整ってきています。「売れるかどうかわからないから相談しにくい」と思わずに、まず話してみてください。

ケース② 自主管理の賃貸物件——売却前の整理から始める

筑後・柳川・みやま・八女エリアでも、個人で賃貸物件を自主管理しているオーナーが売却を検討するとき、よく起きる問題があります。契約書がない・レントロール(家賃一覧表)が整備されていない・修繕記録がない・火災保険の加入実態が不明・保証会社に未加入の入居者がいる、こういった状態の物件を、買い手の目線で見てみてください。

必要な情報が揃っていなければ、買い手はリスクを自分で判断するしかありません。判断できない部分は「リスクがある」と解釈される。その結果、買い叩かれるか、そもそも検討対象から外されるか、どちらかになりやすいです。要するに、情報が足りない状態のまま売り出しても「安心して買える商品」になっていないのです。

逆に言えば、管理を導入して整理することで物件の透明性が上がります。買い手が必要な情報を確認できて安心して判断できる物件になれば、より広い買い手に訴求できて高く売りやすくなります。この整理フェーズをコンサルティング業務として位置づけて、整理したうえで媒介契約を結ぶという流れが、令和6年の改正で組みやすくなりました。

ケース③ 建蔽率超過・違反建築物——適切な処置で買い手の幅を広げる

筑後・柳川・みやま・八女エリアの古い物件に多い、建蔽率や容積率を超過している建物、あるいは違反建築物は、そのままでは金融機関の融資が通りません。融資が通らないということは、現金で買える人にしか売れないということです。買い手が大幅に限定されるので、価格も下がりやすくなります。

ただし、適切な処置——減築・一部解体・行政との調整——を施すことで、融資に耐えうる状態に近づけることができます。そうなれば金融機関の融資が通り、買い手の幅が広がってより良い条件で売却できる可能性が出てきます。こうした出口の選択肢を整理して提案する業務は、仲介とは独立したコンサルティング業務として対応できます。

「どこに相談すればいいかわからない」という案件ほど、まず不動産会社に現状を話してみることが第一歩です。

相談するときに知っておきたいこと——コンサルティング業務と仲介業務の違い

筑後・柳川・みやま・八女エリアでコンサルティング業務として報酬を受け取るには、依頼者と不動産会社の双方が「これは仲介業務とは別の業務だ」と明確に認識していることが前提になります。

具体的には、コンサルティング業務委託契約書を別途締結して、業務内容・報酬額・成果物を明記することが必要です。口約束では後からトラブルになりやすいです。コンサルティング業務の結果として売買や賃貸の仲介につながる場合は、その時点で別途仲介契約を結ぶことになります。

依頼者として事前に確認すべきことは「この業務は別途費用がかかりますか?」という一点です。費用が発生するかどうかを最初に確認しておくだけで、後からのトラブルをかなり防げます。

まずは一度、不動産会社に現状を話してみてください

令和6年の改正によって、不動産会社に相談できる業務の範囲が明確になりました。農地の相続・空き家の活用・違反建築物の整理・自主管理物件の売却前整備——こういった案件でも、コンサルティング業務として対応できる体制を整えている会社が増えています。

「こんなこと相談していいのかな」という遠慮は必要ありません。売買や賃貸の成立を前提にしなくても、一緒に考えてくれる専門家は存在します。まず現状を話してみて、対応できる範囲と費用感を正直に説明してくれる会社を選んでください。

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この記事を書いた人:不動産会社店長

業界歴20年以上の現役店長。現場の第一線で培った知見を活かし、大手不動産メディアにて累計100本以上の専門記事を執筆中。 業界の表も裏も知り尽くした「不動産のプロ」として、不動産会社の不都合な真実を伝えます。

不動産・建築の専門家として、以下の大手メディアにて2026年現在も継続的に執筆・監修を行っています。

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